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調弦(ちょうげん)の理科と算数 その1

2022 5/19
連載 調弦(ちょうげん)の理科と算数
中高生から 学び 小学校高学年から 科学
2022年5月19日
早野龍五

会長
東京大学名誉教授(物理学)
早野龍五

2022年の春は、コロナ禍のこと、戦禍のことなど、気になることが沢山あります。そんな中、スズキ・メソードの会員向けの新しいWebマガジンにどんな記事を書こうか、ずいぶんと迷いました。

迷った末に選んだテーマが「調弦」です。奥の深い話なので、何回かに分けて書く予定で、今回は、連載の1回目です。


私は鈴木鎮一先生からヴァイオリンを習ったので、ここではヴァイオリンを例にして書きますが、チェロもしくみは同じです。ピアノとの関係については、いずれ触れますのでお待ちください。

ヴァイオリンの四本の弦は、向かって左側の太い方から、G線、D線、A線、E線です(子どもの頃、私は訳も分からずにゲーせん、デーせん、アーせん、エーせん、と言っていました。ドイツ語のGDAEの読み方だと知ったのは、随分あとのことです。)

左から、G線(ソ)D線(レ)A線(ラ)E線(ミ)

これらを正しい音に合わせるのが「調弦」ですが、それがどのように理科と算数に関係するかについては、読んでのお楽しみ。しばらくお付き合いください。

Contents

音叉(おんさ)で調弦したことありますか?

ヴァイオリンとチェロの生徒さん、自分で調弦できるようになったのは何歳ごろのことでしょうか?

今はチューナーや、スマホのチューナーアプリなどがありますが、僕が鈴木先生のレッスンに通っていた頃は、A線の音を440ヘルツの音叉の音に合わせていたので、ヴァイオリンケースの中に、いつも音叉が入っていました。

音叉で音を鳴らしてみよう

ここで言うヘルツ(記号はHz)というのは音源などが1秒間に振動する回数を示す単位で、中学1年の理科で習います。


ISOという国際標準で「高音部五線譜のAの音の周波数を440Hzと定める」と決まっているので、僕が持っている音叉も440Hzなのですが、コンサートホールのピアノや、オーケストラでは、442Hzなど、少し高めにすることが多いようです。

いずれにせよ、基準の音と、A線の開放弦の音をよく聴き比べて、ぴったり合わせるのがヴァイオリンの調弦の第一歩です。

音がずれていると音の振幅が細かく震える「うなり」が聞こえ、これを気持ち悪いと感じるようになれば、耳が育った証拠です。

さて、A線を調弦したあと、残りのG線、D線、E線の3本を合わせるのですが、その原理はどうなっているのでしょうか。

その話をする前に、弦が一本の場合をもう少し詳しく調べてみることにしましょう。

中学1年の理科で習う弦楽器のしくみ

中学1年の理科では、モノコード(弦を一本張った楽器)を弾いて、音の大きさや高さを調べる実験をします。そして、

  1. 弦の振幅が大きいほど音が大きいこと
  2. 振動数が大きいほど音が高いこと
  3. 弦を短くしたり、弦を強く張ったり、弦を細くすると振動数が大きくなること

を学びます。

これらは、弦楽器を習っている皆さんは経験上よく知っているはずですが、せっかくですから、このWebマガジンでは教科書には出てこない話に進みましょう。

読み進める前に、ヴァイオリンの「駒」「上駒」の位置を確認しておこう。

フラジオレットを観察する

ここからは、(弦楽器の生徒さんは)楽器を手にして、実際に試しながら読んでください。

まず、G線の開放弦を弾きます。下の図①のように、弦全体が振動してG(ト長調の低いド)の音が出ますね。


実際には、図①に破線で示したように、弦の1/2、1/3、1/4…、の長さで振動する成分 – 倍音 – が混じって、ヴァイオリンの美しい音が出ています。このことは、後に重要な意味を持ちますので、ちょっと覚えておいて下さい。

※ 弦楽器を持っている人は、是非実験してから動画を見てください。

G線の振動を見てみよう

次に、駒と上駒のちょうど真ん中あたりを指で軽く触って弾いてみて下さい(図②)。うまく音が出ない場合は、指を弦にそって上下に少し動かして、よく響くところを探しましょう。

弦の長さの半分の場所を軽く触れて弾いてみよう


続いて、同じ場所で弦をしっかり押さえて弾きます(図③)。


図②の場合と比べて何が変わったでしょうか?

②と③で、音の高さは同じです(その音は何でしょう。また、その音を楽譜に書けますか?)

「軽く触れるだけ」と「しっかり押さえる」を交互に

一方、弦の振動をよく観察すると、②の場合は指で触れた場所の両側が振動しているのに対し、③の場合は、弓で弾いている側しか振動していません。

そして、②の場合は、指の両側の弦の振動が「共鳴」し(そこに倍音が加わって)、心地よく響きます。上級生は知っていると思いますが、このように、弦を軽く触って響きの良い音を出す奏法を、フラジオレットと呼びます。

②の場合と③の場合、振動する部分の長さはどちらも同じで、弦の長さの半分(1/2)です。理科で習うように、弦の長さが短いので、音は高くなっています。

もっと正確に言うと、その振動数は開放弦の時の2倍で、開放弦の1オクターブ高い音です。

振動数が2倍になる(弦の長さが1/2になる)と、音は1オクターブ高くなる。

弦の長さを半分にすると1オクターブ高くなる!

1/3のフラジオレット

さて、次のチャレンジです。

上駒から1/3、駒から2/3になるあたりを軽く触って、よく響くところを探してください(図④)。この場合も、指の両側の弦が共鳴しているはずです。

駒から2/3、上駒から1/3の場所は?


次に、先ほどと同じように、その場所で弦をしっかり押さえて弾いてみてください(図⑤)。この場合は弓で弾いている側しか振動せず、④の時よりも低い音が出ます。


この音は何でしょう。楽譜に書けますか?

同じ場所をしっかりと押さえて弾いてみると?

皆さんお分かりの通り、⑤の場合の音は、ト長調の「ソ」(「ドの完全5度上」の音)で、振動している部分の長さは、弦の全長の2/3です(そろそろ算数になってきました)。

一方、④の音は、⑤の1オクターブ上の「ソ」です。

先ほど確認したように、

音が1オクターブ高い時は、振動する弦の長さが1/2になっている

はずですが、本当にそうなっているでしょうか。

⑤の時は弦の全長の2/3が振動し、④の時は弦の全長の1/3が振動しています。2/3×1/2=1/3ですから、④の時の長さは、⑤の時の1/2、すなわち1オクターブ高いのです(ますます算数になってきました)。

④「軽く触れる」と1/3が振動、⑤「しっかり押さえる」と2/3が振動

実は、④と同じ高さの音を出す方法がもう一つあるので、試してみましょう。


今度は、図⑥のように駒に近い方の1/3あたりを指で軽く押さえて、良く響くところを探します。どんな音が聞こえますか?

図④の時と同じ高さだと分かりますか?

次に、同じ場所をしっかり押さえて弾いてみて下さい(図⑦)。


先ほどの④と⑤の場合と違って、今度は⑥も⑦も同じ高さです。どちらの場合も、④と同様、弦の全長の1/3が振動しているのです。

上1/3を「軽く」「しっかり」交互に弾くと?

ここまで、弦の全長の1/2のフラジオレットと、1/3のフラジオレットを調べてきました。それでは、弦の全長の1/4の場合、1/5の場合はどうなるか、皆さん予想できますか?

そして、予想が正しかったかどうか、楽器で確認してみて下さい。

「調弦の理科と算数」連載の1回目はここまでです。是非とも楽器を手にして、さまざまなフラジオレットを試して観察して下さい。

次回は、弦の長さの1/3…1/5のフラジオレットが、調弦とどのように関係しているかについて、話を進めます。

プロフィール

早野龍五
東京大学名誉教授。物理学者。
1979年東京大学大学院理学系研究科修了、理学博士。
スイスのCERN研究所客員教授、東京大学大学院理学系研究科教授などを経て、2017年より東京大学名誉教授。
2016 年より(公社)才能教育研究会会長 。
反物質の研究により2008年仁科記念賞、第 62 回中日文化賞などを受賞。近著に、糸井重里氏と共著の「知ろうとすること」(新潮文庫)「『科学的』は武器になる」(新潮社)がある。

≪おまけ1≫ト長調の音階

上段を「階名」下段を「音名」と呼ぶ。
主音「ド」と第5音(属音)「ソ」は「完全5度」の音程。

≪おまけ2≫ドレミの言い方いろいろ

≪おまけ3≫印刷用PDF(解答スペース付き)

調弦(ちょうげん)の理科と算数 その1 PDFダウンロード

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