第4回「子どもの発達、思春期」
小児神経科医
植松有里佳
こんにちは。私は、宮城県仙台市で、4歳の娘と共に、ヴァイオリンをご指導いただいております。私は、神経疾患や発達障害などを専門に診療する小児科医をしています。今までFruitfulでご紹介した内容は比較的低年齢のお子さんむけのテーマが多かったのですが、今回は、思春期をテーマにしてみたいと思います。お子さんがまだ小さくても、思春期はいずれやってきますので、少し知っておくのも良いのではないかと思います。
それから、私はこの記事の中で「保護者」のことを「親御さん」と表現しています。この文章をお読みの方の中には、親子で血のつながりがない方もいらっしゃると思いますし、様々な事情で一緒に暮らすことができないご家庭もあるかもしれません。診療にも様々な背景を持つご家族がいらっしゃいますが、外来にお子さんを連れてきてくださるということは、お子さんの成長や発達を心配されて、少しでもよくしてあげたいという気持ちを持ってきてくださるのですから、みんな親子と思ってお話をしています。
この文章をお読みいただいている会員の方は皆さんお子さんの健やかな成長を願ってやまない方々です。ですから、私は保護する者と保護される者(子)ということ以上の「つながり」や「責任」を意識して、親と子という表現を使いたいと思っています。それでは、思春期について。お子さんを 想いながらお読みいただけると嬉しいです。
思春期とは
思春期とは、第二次性徴に伴い、女の子は女性らしい、男の子は男性らしい身体に変化する時期です。体格にもよりますが、女の子は小学校高学年ごろから、男の子は中学生頃からと、男女で始まりの時期に差があります。このため、この頃の精神発達にも差があり、同学年では女の子の方が大人っぽいように感じます。中学生頃の女の子が、同級生の男子ではなく、先輩に憧れたりするのはこのためです。
思春期の心理発達~二次反抗期とは~
プロフィール
植松有里佳
4歳の女の子の母。小児科医。専門は小児神経学で、神経難病からてんかん、発達障害まで幅広く診療している。
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