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エル・システマの歴史 1

2023 10/13
エル・システマの歴史
エル・システマ 小学校高学年から 教育 音楽
2023年10月13日
菊川穣

第1回 エル・システマの歴史とその世界的展開

一般社団法人エル・システマジャパン 
代表理事 
菊川 穣

エル・システマとは、子どもたちにオーケストラやコーラス等の集団での音楽教育を無償で与えることで、どのような社会経済状況にあっても誰でも音楽を通して自己肯定感や社会性を高めることができるという理念に基づいた社会包摂的な芸術活動です。

スズキ・メソードで学ばれる方は、容易に、鈴木鎮一先生の「どの子も育つ」というメッセージをイメージされるかと思いますが、実際、創設当初からスズキ・メソードの影響を強く受けています。小林武史先生が創設当初のエル・システマに多大な貢献をされたこと、世界に展開していく上で、各国のスズキ・メソード関係者が果たした大きな役割等に関しては、次号で詳細を書く予定です。

Contents

エル・システマの創設から現在

エル・システマは、経済学者、宗教者、政治家でもある音楽家ホセ・アントニア・アブレウ博士[1](1940〜2018)のリーダーシップのもと、1975年にベネズエラで一民間活動として始まりました。後に国家事業となり、現在では、約100万人の子どもが、国内200以上の活動拠点に参加し、また理念に共鳴した活動が70以上の国・地域で展開するほどの、世界規模の音楽教育プログラムとなりました。

現在は、シモンボリバル音楽財団(La Fundación Musical Simón Bolívar)と名称を変えていますが、当初の運営主体FESNOJIV(La Fundación del Estado para el Sistema Nacional de las Orquestas Juveniles e Infantiles de Venezuela:国立財団ベネズエラ児童青少年オーケストラシステム)の名称のオーケストラシステムという部分が、エル・システマという通称のもとになっています。

現ロサンゼルス・フィルハーモニック音楽/芸術監督であるグスターボ・ドゥダメル、ベルリン・フィルハーモニックに史上最年少(当時)で入団したコントラバス奏者エディクソン・ルイス等を輩出しており、その芸術性の高さは、クラウディオ・アッバード、サイモン・ラトル、プラシド・ドミンゴ等の世界的巨匠音楽家から絶賛されてきました。

[1]アブレウ博士は、日本において様々な受賞歴(2006年高松宮殿下記念世界文化賞、2007年旭日大綬章、2013年五井平和財団「平和の文化特別賞」)がある。

エル・システマの大きな理念

経済的、社会的に困難な状況にある子どもたちも、一流の芸術体験を積むことで、その困難を乗り越えていける力を身につけることができ、そのことが周りの大人を変え、いずれは社会も変えていく、という大きな理想をアブレウ博士は持っていました。

歴代のベネズエラ政権も、右派、左派という政治的立場を超えて国家事業として支え、エル・システマは拡大してきました。また、資金的な支援をベネズエラ政府経由で実施していた米州開発銀行からも、子どもたちを犯罪から守る活動として費用対効果の面で評価されています(IDB「IDB Country Strategy with the Bolivarian Republic of Venezuela 2011 – 2014」)。

カラカス市内の拠点でのオーケストラ合奏練習風景

エル・システマの形態

オーケストラとして有名になったエル・システマですが、クワトロという小型の4弦ギターや、打楽器をメインにしたベネズエラの民族音楽のアンサンブルや、ジャズのビックバンド、プログレッシブロックのバンド等、様々なジャンルでも活動が行われています。

また、スズキ・メソードに留まらず、児童合唱の教育法として有名なハンガリーのコダーイメソード、リトミックで知られているスイスのダルクローズメソード等、世界各地から音楽教育の成功事例を貪欲に取り入れ、ベネズエラの風土に合うよう実践をしているところに特徴があります。

カリブ海沿いのグアレナス市内の拠点での民族音楽プログラムの練習風景

エル・システマの各国への展開

上述した世界的音楽家達を通した広報活動もあり、エル・システマのような取り組みを、是非とも自国で取り入れたいと考える人、団体が増え、現在は、日本を含め、世界70を超える国・地域で類似の活動が展開しています。

ただ、この世界展開は、ベネズエラのシモン・ボリバル音楽財団がフランチャイズで広げているものではなく、各国の関係者が、それぞれが抱える社会課題や、政治経済環境を考慮し、既存の文化芸術領域のアクターと連携しながら、独自に形成し、国や公共団体主導から、純然たる民間活動等、多様な統治形態で運営されています。

英国スコットランドはSistema Scotlandの最新の拠点(Wester Hailes)より

米国、カナダでは、100を超える団体が、貧困、移民の社会的統合といった社会課題解決に向けて、エル・システマ式の音楽教育の実践を謳っています。年間予算が数億円というロサンゼルス・フィルハーモニックがドゥダメル音楽監督のもと、ロサンゼルス郡内の複数拠点にて実施するYOLA(Youth Orchestra Los Angeles)から、地方の小都市で草の根の民間教育非営利団体によって運営されているプログラムまで、多岐に渡っています。

米国のエル・システマ団体の合同オーケストラによる発表会@ロサンゼルス・ディズニーコンサートホール

一方、国の文化スポーツ観光省が実施する、ベネズエラ以外で最大の予算規模と言われているのが韓国のエル・システマ(Orchestra of Dream)です。子ども・青少年の自殺、孤立予防を主な目的として、国内各地で、地域の音楽教育団体を通して、広く展開しています。大学等で音楽を専攻した若者を、ティーチングアーティストとして国が、各地域団体が、パートタイム雇用できるよう、補助金を用意している仕組みがユニークと考えられます。

プロフィール

菊川 穣(きくがわ ゆたか)

神戸生まれ。幼少期をフィンランドで過ごす。University College London地理学BA(1995年)、政策研究学(Institute of Education)MA(1996年)。(株)社会工学研究所を経て、国連教育科学文化機関(ユネスコ)南アフリカ事務所、国連児童基金(ユニセフ)レソト、エリトリア両事務所で、教育、子ども保護、エイズ分野の調整管理業務を担当。2007年に日本ユニセフ協会へ異動、J8サミットプロジェクトコーディネーター、資金調達業務に従事後、2011年より東日本大震災支援本部チーフコーディネーター。2012年、(一社)エル・システマジャパンを設立、日本ユニセフ協会を退職、代表理事に就任。公益財団法人ソニー音楽財団こども音楽基金選考委員会議長(2019年〜2021年)。公益財団法人音楽文化創造理事(2022年〜)。

あわせて読みたい
エル・システマの歴史 2 ベネズエラ発祥の音楽教育プログラム「エル・システマ」を紹介する連載の2回目。その始まりから現在に至るまで、世界の様々な地域で数多くの人たちがプログラムに賛同し活動してきました。その中にはスズキ・メソード出身者も多く、子どもたちの音楽教育のために尽力しています。世界に広がる「エル・システマ」の歴史に触れてください。
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